AIケアプラン支援〜計画書作成をAIが変える 2026年最前線

読了時間: 約6分|著者:介護福祉士・AIコンサルタント(現場経験約20年)


▼ 3行まとめ

  • ケアマネジャーの有効求人倍率は9.70倍(2025年2月)。新規プラン作成には1件4時間30分もかかっている
  • 2026年、AIがアセスメントからケアプラン原案まで自動生成するサービスが複数リリース・導入開始
  • 35時間の作業削減(NTT DXパートナー見込み)や要介護改善率**+3.4ポイント**(CDI実証)など効果が実証段階へ

■ なぜ今、AIケアプランが必要なのか

2025年2月の調査(全国社会福祉協議会)では、ケアマネジャーの有効求人倍率は9.70倍。全職種平均(1.20倍)の約8倍という深刻な人手不足が続いています。

厚生労働省の資料によると、ケアマネジャーの従事者数はピーク(2018年度・約19万人)から2022年度には約18万人へ減少。一方で高齢者数は2025年に3,653万人、2043年のピーク時には3,953万人と増加し続ける見通しです。

そしてケアプラン1件の作成時間は、新規で約4時間30分、継続でも約2時間30分(ケアニュース調べ)。アセスメント、課題整理、目標設定、サービス計画…膨大な事務作業がケアマネジャーの本来業務(利用者・家族との対話、多職種連携)を圧迫しています。

この課題を解決するのが「AIケアプラン支援」です。


■ 2026年注目のAIケアプラン支援サービス3選

① CDI「SOIN-M(そわんえむ)」〜施設版がついに登場

提供開始:2026年1月26日

CDI(シーディーアイ)は2018年に国内初の自立支援型AIケアプランシステムを商用化した先駆者。2026年1月、ついに施設(有料老人ホーム等の特定施設)向け「SOIN-M」の提供を開始しました。

主な機能:

  • アセスメント入力自動補完:約50万件の認定調査データをもとにAIが残項目を推定
  • 介護予防サービス計画書の自動作成:ワンクリック・約3分で計画書を生成
  • AI-Chatによる個別相談:日々のケア方針をAIに相談しながら検討可能
  • 第1〜6表・議事録など主要帳票に対応

実証データ:愛媛県伊予市・西条市(約45,000件のデータ学習)での実証実験では、AIケアプランを活用した施設で要介護改善率が3.4ポイント向上。今後は特養・老健へも展開予定。

CDI SOIN公式サイト / 施設版リリース詳細


② NTT DXパートナー×チャーム・ケア「AIケアプランナー」〜2026年春 現場投入

開発開始:2025年6月/現場投入目標:2026年春

NTT DXパートナーと介護大手・チャーム・ケアが共同開発中の「AIケアプランナー」。厚生労働省の「適切なケアマネジメント手引き」を学習した生成AIが、介護記録から自動でケアプランを作成します。

特長は介護付き有料老人ホーム向け特化(既存ツールは在宅ケア中心)という点。将来的には「AIケアアシスタント」(スキル標準化)、「AI業務スケジューラー」(シフト自動作成)にも拡張予定です。

見込み効果:ケアマネジャーのケアプラン作成時間を月35時間程度削減(開発会社見込み・実装後に検証予定)

NTT DXパートナー × チャームケア発表詳細


③ CareViewer with Gillie.AI「個別介護計画書AI」〜2026年夏リリース予定

提供開始:2026年夏頃(予定)

前記事でも紹介した「健康予測AI」と連携する形で、CareViewerが2026年夏に「個別介護計画書AI」をリリース予定。アセスメントから計画書の原案作成、モニタリングまでを一連で自動化します。

2,000万件以上のデータと早稲田大学吉江研究室との共同開発により、計画書作成時間の約90%削減を見込む(CareViewer社発表)。

CareViewer リリース詳細


■ 現場実証の声〜「翌日の作業が当日中に終わった」

CareFranが高知県香美市と連携した実証事業「となりの辺見さんプロジェクト」では、生成AIを使ったケアプラン作成支援を実施。

従来なら翌日以降に半日以上かかる新規アセスメント→計画書作成が、その日のうちに2人分完成。実証に参加したケアマネジャーからは「できあがったケアプランの出来栄えに正直、驚きました。ほぼ修正の必要はないくらいです」との声が上がりました。

CareFran 実証事業 詳細


■ AIケアプラン導入の3つのポイントと注意点

【メリット】

  1. 時間削減 → 事務作業からケアマネジャーを解放し、利用者対話に集中
  2. 質の標準化 → 経験に関わらず高水準のプランを作成できる
  3. 若手育成 → AIの提案が教育ツールになり、スキルアップを支援

【注意点】

  • AIはあくまで「原案提示」。最終判断はケアマネジャーが行う
  • 個人情報の取り扱いに注意(セキュリティ要件の確認必須)
  • データ入力体制の整備が先決。AI活用は「デジタル化の次のステップ」

■ 今すぐできる3ステップ

  1. 現状確認:月間ケアプラン件数×作成時間を数値化し、課題を可視化する
  2. 無料デモ申込:CDI SOIN(https://soin.tech/)で無料デモを体験
  3. 補助金確認:各都道府県の「介護テクノロジー導入支援事業」(補助率最大75%)を確認

■ FAQ

Q:小規模施設でも導入できますか? A:SOINは月額制のサブスクリプション型のため、規模を問わず導入可能。詳細はCDIへ問い合わせを。

Q:AIが作ったケアプランは介護報酬の要件を満たしますか? A:CareFranの実証では「介護報酬要件を満たしたケアプラン原案を自動生成」と確認。ただし最終的な確認・承認はケアマネジャーが行います。

Q:既存の介護記録ソフトと連携できますか? A:各サービスにより異なります。導入前にベンダーへの連携確認が必要です。


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