【2026年4月スタート】介護情報基盤とは?福祉施設の経営者が今すぐ準備すべき5つのポイントと助成金活用術

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👤 著者情報

介護福祉士・社会福祉主事・AIコンサルタント 介護現場に約20年携わり、現在はAI活用による福祉施設の業務効率化を専門に支援。 現場経験とAI技術の両方を持つ立場から、実践的な情報を発信しています。


▼ この記事の3行まとめ

・介護情報基盤は2026年4月から順次スタートする、介護情報を一元管理する国の新制度 

・全介護事業所が対象。今すぐカードリーダー購入

・ポータル登録の準備が必要 ・導入費用は助成金で補填可能。令和7年度の申請期限は2026年3月13日18時まで(残りわずか!)


目次

  1. 介護情報基盤とは?
  2. なぜ今、介護情報基盤が必要なのか
  3. 介護情報基盤で何が変わるか(3つのメリット)
  4. 事業所が今すぐ準備すべき5つのポイント
  5. 助成金を活用する方法(申請期限に注意!)
  6. AI×介護情報基盤の未来
  7. まとめ・よくある質問(Q&A)

1. 介護情報基盤とは?

介護情報基盤とは、利用者に関する介護情報をデジタル化・一元管理し、介護事業所・医療機関・自治体・利用者本人がインターネット上で安全に閲覧・共有できる国の情報システムです。

2023年5月の健康保険法改正により法的に位置づけられ、国民健康保険中央会が運営します。マイナンバーカードを活用して必要な情報に即座にアクセスできるようになります。

これまで電話・FAX・紙書類で行っていた情報のやりとりが、すべてデジタル化されます。

従来の情報共有介護情報基盤導入後
電話・FAXで都度連絡オンラインで即時共有
紙の書類を郵送・持参デジタルデータで確認
情報が事業所ごとに分散一元管理・リアルタイム閲覧
確認に時間と手間がかかるマイナンバーカードで即座に確認

2. なぜ今、介護情報基盤が必要なのか

📊 背景:介護業界が直面する構造的課題

課題①:深刻な人材確保難

厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数」によると、介護職員は2022年度(約215万人)比で、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人の追加確保が必要と推計されています。

限られた人員で質の高いケアを継続するためには、一人ひとりの業務負担を減らす仕組みが不可欠です。

課題②:情報連携の非効率

現状、介護事業所間・医療機関・自治体の情報共有は電話・FAX・紙書類が中心です。この非効率な情報連携が職員の業務時間を圧迫し、ケアの質にも影響しています。

課題③:国家戦略としての介護DX推進

政府は医療・介護のDXを国家戦略として位置づけており、介護情報基盤はその中核を担うインフラです。対応の遅れは、今後の加算要件や運営基準にも影響する可能性があります。


3. 介護情報基盤で何が変わるか(3つのメリット)

✅ メリット①:業務効率化・事務負担の大幅軽減

電話・FAXでの煩雑な情報連携や、紙の書類管理が大幅に削減されます。

  • 利用者の保険資格確認がマイナンバーカードで即座に完了
  • 主治医意見書の電子的連携が可能に
  • ケアプランデータ連携システムとの統合で書類作業を一元化
  • 職員が本来のケア業務に集中できる環境が整う

先行してICT・AIを導入した事業所では、記録業務を含む事務作業の大幅な時間削減が報告されています。介護情報基盤はその基盤インフラとして機能します。

📝 現場経験者の視点 「利用者さんの情報を確認するために、何度も電話して、書類を探して…」という時間が、現場ではいかに多いか。介護情報基盤はその「探す・聞く・待つ」という無駄をまとめて解消してくれます。約20年の現場経験から、この変化の意義は非常に大きいと感じています。

✅ メリット②:多職種連携の劇的な強化

介護事業所間だけでなく、医療機関・自治体との情報共有がリアルタイムで可能になります。

  • 病院退院後の情報引き継ぎがスムーズに
  • 利用者の状態変化を関係者全員が即座に把握
  • LIFEデータ・過去のケアプラン情報を多職種で共有
  • ケアプランデータ連携システムとの一体運用でさらに利便性向上

✅ メリット③:職員の働き方改革と人材定着

事務負担の軽減は、職員の疲弊を減らし離職防止に直結します。

情報確認・書類作成・電話連絡といった間接業務が減ることで、職員が「本来やりたかった利用者との時間」を取り戻せます。これは採用難が続く現在、施設の競争力に直結する重要な要素です。


4. 事業所が今すぐ準備すべき5つのポイント

POINT 1|インターネット環境と端末の確認

介護情報基盤はWebサービスです。インターネット接続できる端末(PC・タブレット)が必要です。多くの施設にはすでにある環境ですが、未整備の場合は早急に準備しましょう。

POINT 2|電子証明書のインストール

介護情報基盤ポータルへのアクセスに必要な電子証明書をインストールします。詳細は介護情報基盤ポータルの「導入準備作業手引き」を参照してください。

POINT 3|カードリーダーの購入

マイナンバーカードを読み取るカードリーダーが必要です。

  • 価格目安:1,000円〜7,000円程度
  • 助成金の対象経費です(詳細は次章参照)
  • 購入前に助成金申請期限を必ず確認してください

POINT 4|マイナンバーカード読み取りアプリの設定

対応アプリのインストールと初期設定を行います。設定方法はポータルサイトのマニュアルに沿って進められます。

POINT 5|介護情報基盤ポータルへの登録・ログイン確認

介護情報基盤ポータル(国民健康保険中央会)にアクセスし、事業所登録を完了させましょう。


5. 助成金を活用する方法

⚠️ 緊急:令和7年度の申請期限は2026年3月13日(金)18時まで!

現在、介護情報基盤の導入費用に対する令和7年度分の助成金申請受付中です。

介護情報基盤ポータル公式発表(2026年2月16日) 「令和7年度における介護情報基盤の導入に係る費用に充てるための助成金の申請期限は、令和8年3月13日(金)18:00までとなります。」

なお、令和8年度以降の助成金については現時点で未定です。今年度中の申請を強く推奨します。

助成対象経費

対象内容
カードリーダー購入費マイナンバーカード読み取り用機器
接続サポート等経費介護情報基盤との接続に係る費用

申請手順

STEP1:介護情報基盤ポータルにログイン
STEP2:「マイページ」→「各種申請」→「助成金申請」を選択
STEP3:対象経費の情報を入力・申請

※申請は介護事業所ごとに1回となっています。


6. AI×介護情報基盤の未来

介護情報基盤の真の価値は、蓄積されたデータをAIが活用する未来にあります。

AIケアプラン支援との連携 介護情報基盤で蓄積された利用者データをもとに、AIがケアプランの下書きを自動生成する仕組みが実用化段階に入っています。厚生労働省もAIによるケアプラン作成支援を国家戦略として位置づけており、介護情報基盤との連動が今後強化される見込みです。施設によってはケアプラン作成にかかる時間の大幅削減が報告されており、その土台となるのが介護情報基盤です。

予測ケアの実現 利用者の日々の状態データが蓄積されることで、AIが転倒リスクや体調変化を事前に予測する「予測ケア」が可能になります。これは事故防止・ケアの質向上に直結します。

科学的介護の標準化 個人の勘や経験に頼らない、データに基づいたケアが標準化されます。LIFEとの連携強化により、アウトカム評価に基づく加算取得にも有利に働きます。

介護情報基盤は「今すぐ役立つ効率化ツール」であると同時に、AI時代の介護基盤インフラです。今から準備を始めることが、2〜3年後の施設経営の競争優位性につながります。


7. まとめ

項目内容
何か介護情報のデジタル一元管理システム(国の制度)
いつから2026年4月〜順次(本格運用は2028年4月)
誰が対象全介護事業所
準備することカードリーダー購入・ポータル登録等5点
助成金対象カードリーダー+接続費用
申請期限令和7年度分:2026年3月13日18時まで
令和8年度以降現時点で未定

よくある質問(Q&A)

Q. 介護情報基盤への参加は義務ですか? A. 現時点では義務ではありません。ただし2026年4月から順次、2028年4月には全市町村での運用が目標とされており、早期準備が推奨されます。今後の加算要件等にも影響する可能性があるため、早めの対応をお勧めします。

Q. 小規模事業所でも対応できますか? A. 対応できます。必要なのはインターネット接続環境とカードリーダーのみです。助成金を活用することで導入コストを大幅に抑えられます。

Q. 利用者の個人情報は安全ですか? A. 国民健康保険中央会が運営する国の公式インフラです。マイナンバーカードによる本人認証と厳格なセキュリティ管理のもとで運用されます。

Q. ケアプランデータ連携システムとは別のものですか? A. 介護情報基盤とケアプランデータ連携システムは、統合して一体的に運用される予定です。一元化によりランニングコストの軽減と利便性向上が見込まれています(厚労省「介護保険最新情報 Vol.1460」)。


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